健康経営とは? 企業と従業員の未来を創る新たな経営戦略

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2024年07月26日

今回は一人ひとりの健康管理ではなく、「健康経営」という企業における従業員の健康管理をテーマにお話させていただきます。

 

目次:

1.健康経営の定義と背景
2.健康経営のメリット
3.健康経営の具体的な取り組み例
4.健康経営優良法人認定制度
5.健康経営の課題
6.まとめ



1.健康経営の定義と背景

 

健康経営とは、従業員等の健康保持・増進の取り組みが、将来的に収益性等を高める投資であるとの考えの下、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践することを指します。この定義は、特定非営利活動法人健康経営研究会が提唱したものです。企業が従業員の健康を重要な経営資源として捉え、従業員の健康が企業の生産性や業績に直接的に影響を与えるという認識に基づいています。健康経営の目的は、従業員の心身の健康を支えることで、企業全体のパフォーマンスを向上させ、持続可能な成長を実現することです。

近年、この概念が注目されるようになった背景には、日本社会が直面する様々な課題があります。少子高齢化による労働力人口の減少、長時間労働や過労死問題、メンタルヘルスの悪化、医療費の増大などが、企業の生産性や競争力に大きな影響を与えていると考えられています。

健康経営は、これらの課題に対する企業の積極的な取り組みとして位置づけられています。従業員の心身の健康を守り、働きやすい環境を整えることで、個人の能力を最大限に引き出し、組織全体の活力を高めることを目指しています。



2.健康経営のメリット

 

健康経営には、企業と従業員の双方にとって多くのメリットがあります。

企業にとってのメリット:

・生産性の向上
・従業員の創造性の向上
・企業イメージの向上
・優秀な人材の確保・定着
・医療費等の適正化
・リスクマネジメント

従業員にとってのメリット:

・健康リスクの低減
・働きがいの向上
・ワーク・エンゲージメントの向上
・職場環境の改善
・メンタルヘルスの向上

これらのメリットは相互に関連し合い、好循環を生み出します。例えば、従業員の健康状態が改善されれば欠勤や休職が減少し、生産性が向上します。それによって企業の業績が向上すれば、さらなる健康投資や待遇改善につながり、従業員の満足度や帰属意識が高まります。



3.健康経営の具体的な取り組み例

 

健康経営を実践する方法は企業によって様々ですが、以下のような取り組みが一般的です。

a) 従業員の健康保持・増進

・定期健康診断の受診率向上
・がん検診や人間ドックの補助
・特定保健指導の実施
・社内での健康セミナーや講習会の開催
・禁煙支援プログラムの導入

b) 職場環境の整備

・長時間労働の是正
・有給休暇取得の推進
・フレックスタイム制やテレワークの導入
・オフィスの空調や照明の最適化

c) メンタルヘルス対策

・ストレスチェックの実施と結果に基づく職場環境改善
・カウンセリング制度の導入
・管理職向けのメンタルヘルス研修

d) 生活習慣病予防・改善

・運動促進(ウォーキングイベント、社内スポーツ大会等)
・食生活改善(社員食堂でのヘルシーメニュー提供、栄養指導等)
・睡眠の質向上(睡眠セミナー、仮眠スペースの設置等)

e) コミュニケーションの促進

・社内SNSの活用
・部署や施設横断的な交流イベントの開催

これらの取り組みを効果的に実施するためには、経営トップのコミットメントと従業員の主体的な参加が不可欠です。また、PDCAサイクルを回し、継続的に改善を図ることが重要です。



4.健康経営優良法人認定制度

 

健康経営に取り組む企業を評価・認定する制度として、経済産業省が推進する「健康経営優良法人認定制度」があります。この制度は、優れた健康経営を実践している企業や団体を「健康経営優良法人」として認定するものです。

認定は大規模法人部門(ホワイト500)と中小規模法人部門に分かれており、以下の項目について審査されます。

・経営理念・方針
・組織体制
・制度・施策実行
・評価・改善
・法令遵守・リスクマネジメント


大規模法人部門認定要(2024年度)


中小規模法人部門認定要(2024年度)

認定を受けることで、企業の健康経営への取り組みが対外的に評価され、企業イメージの向上や優秀な人材の確保につながります。また、一部の金融機関では健康経営優良法人に対して融資条件の優遇を行うなど、経済的なメリットも生まれています。



5.健康経営の課題

 

健康経営の重要性が認識される一方で、いくつかの課題も存在します。

a) 効果測定の困難さ

健康経営の取り組みが企業業績にどのように貢献しているかを定量的に測定することは容易ではありません。短期的な効果を求めるのではなく、中長期的な視点で評価することが求められます。

b) 個人情報の保護

従業員の健康情報は極めてセンシティブな個人情報です。適切な管理と利用が求められると同時に、過度な介入にならないよう配慮が必要です。

c) 従業員の主体性の確保

健康経営の取り組みを押し付けではなく、従業員自身が主体的に参加できるような仕組みづくりが重要です。

d) 中小企業への普及

大企業と比べて経営資源に制約がある中小企業でも取り組みやすい健康経営のモデルを構築し、普及させていく必要があります。朝礼や休憩時間での体操の導入など、実現可能な小さな取り組みから始めていくことも重要です。



6.まとめ

 

健康経営は、従業員の健康を守るだけでなく、企業の持続的な成長と社会の発展にも寄与する重要な経営戦略です。少子高齢化や働き方改革が進む中、その重要性はますます高まっています。

成功の鍵は、経営トップのリーダーシップと従業員の積極的な参加、そして継続的な改善にあります。健康経営を単なるコストではなく、未来への投資として捉え、企業と従業員が共に成長していく姿勢が求められます。

健康経営は、働く人々の幸せと企業の発展、そして社会全体の健康増進を同時に実現する可能性を秘めています。今後、より多くの企業が健康経営に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献することが期待されます。

 

からだポータル株式会社では健康経営推進支援を行っております。ご興味のある方は、是非お問い合わせください。

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